2014年10月17日金曜日

心に残る外道たち(その参)

先週に引き続いて「外道」のお話です。
※ 外道・・・釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと

1.何時・・・・・・・十年ほど前の9月

2.何処で・・・・・熊本県球磨川での鮎の友釣りで

3.誰が・・・・・・・当然、小生が

4.何を、どうした
大鮎の聖地に尺鮎を目指して遠征した時、とてつもない大物を釣りました。

5.どのようにして
ここ球磨川では盆明けから尺鮎が掛りはじめ、全国から鮎マニアが集まって来ます。
仕掛けは頑丈一徹。糸が切れるか、竿が折れるか、釣り人が流されるか、です。
この日も周りの誰よりも調子が良く、大きく竿を曲げる場面がたびたびあり、既に26~29cmの大鮎を何匹も仕留めていました。






←こんな雰囲気で↑こんな獲物を狙っていました


【此処からの出来事は、約10年前のこととはいえ鮮明です】

あまりにも良く竿が曲がるので、多くの釣り人が私の周りに集まってきました。
「場所が良いので釣れる」と思うのでしょう(この人達は決して腕の差だとは思っていません)。私の上下には知らない釣り人が竿を出してきます。
当然、邪魔になります。

その時、小生の竿先に「ゴン」と強力な激震が・・・。

小生;「(きたぁ~~~~)」(注;声には出しません)
今までと違う、強力な引きで獲物は川の上流にのぼっていきます。竿は満月です。
やりとりの邪魔となる上流の釣り人は気をきかせて、自ら竿を下げて小生の動きに注目し、近くに寄ってきます。

釣り人;「大物やぁ~~~~」「こりゃ、尺はある 
(注;この釣り人は大きな声を発します)

小生;「(ひ、ひ、ひ、引くのぉ~~~~)(注;声には出しません)
顔面を真っ赤に染め上げ、両の腕で竿を握り、強力な引きに耐えに耐え、竿は満月。
糸なりの音が「ヒュ~ン、ヒュ~ン」と・・・

釣り人;「兄ちゃん、上手いやり取りをするねぇ~~~(大声)
小生;「(引くぅ~~~~~)
釣り人;「はょ~~顔が拝みたい。尺はあるよのぅ~~~(大声)

小生無言のまま、10分ほどやり取りを続けるうち、「(ナンカ、引きが、違う。なんか、違う。以前にも掛けたことがある○○○では?)」 との思いが。

釣り人;「はよ~~~、拝みたいのぉ~~~~(大声)
小生;「(お、お、お・の・れぇ~~~~)」
竿を締め上げると、手元に巨大な○○○の姿が。そして、またグ~~~ンと潜っていきます。    
魚の正体が見えなかったこの釣り人は「凄いの~~」「よ~~~、引くの~~」を連発します。

小生;「(頼む、もう、糸を切って逃げてくれぇ~~~!お・ね・が・い)
・・・と念じ続けますが、獲物は徐々に力を失い寄ってきてしまったのであります。


ナマズ(Silurus asotus
ナマズ目ナマズ科に属する硬骨魚類の一種。
北海道と沖縄などの離島を除く全国各地の淡水域に幅広く分布している。日本在来の淡水魚は雑食のものが多いため、在来魚としては数少ない大型の肉食魚(ウナギと同様、鮎が大好物)である。
マナマズは白身魚で、日本では天ぷら・たたき・蒲焼・刺身などにして利用される。近年では琵琶湖周辺地域(滋賀県・京都府)や、埼玉県南東部など特定の地域での漁獲が中心となっている。ナマズ食の歴史自体は古いものの、現代の日本では必ずしも一般的な食材とは言えない。
(Wikipedia より抜粋)
 
獲物の姿を見たくだんの釣り人は
釣り人;「フン、ナマズか」

小生、静かにこの大ナマズ(頭の大きさは私のゲンコツ大)を玉網で掬い、針を外してリリースしようとしたのであります。

釣り人;「え~~、逃がすの?美味いのに、もったいない



小生は大変不機嫌になったのを覚えています。



6.どうなった
主役のナマズ君には「お疲れさま」と一言声をかけ、自分の住処に帰っていただきました。

地震を予知して最後のご馳走を食わねばと、小生のおとり鮎を食いに来たのかとも思いました(笑)
しかし、この日地震は起こりませんでした。