2015年5月15日金曜日

デジタル写真の現像

毎度、車の話ばっかになりがちなので今回はデジタルカメラの話でも書こうかと思います。


デジタルカメラの利点の一つに現像作業が要らないということがあります。
撮った瞬間に絵を確認出来て、パソコンで印刷したら写真の出来上がりです。
にも関わらず、世の中には現像ソフトという「デジタルカメラの写真を現像する物」が売られています。

これが何かを理解するにはデジタルカメラの仕組みをある程度理解する必用がありますが・・・細かく話せば長いので簡単に。

デジタルカメラの中には光の強弱を電気信号に変えるセンサーという物が入っています。
このセンサーは「赤っぽい光はこんな感じ」「緑の光はこんな感じ」「青っぽいのはこんな感じ」という風に、3色の光の強弱を個別に判断してカメラに伝えます
これを受け取ったカメラは「3色混ぜたらこんな感じかな?」という絵を頑張って作り出して液晶に表示します。

その「3色混ぜたらこんな感じかな?」をやっているのが現像ソフトというものです。デジタルカメラの中にも居ますし、携帯電話の中にもこれがいるから撮った写真を見ることが出来るのです。

昔のフィルム写真は直接光に反応する薬品がフィルムに塗られていまして、レンズを通した光がそのまま絵になるという仕組みなのですが、デジタル写真は「現像ソフト」というものが「おそらくこんな感じ」という判断で創りだした絵である、ということになります。
ここ最近の流れとして「おそらくこんな感じ」というところから踏み込んで「あなたが欲しい写真ってこんなのでしょ?」という写真を作り出すものまで出てきています。


さて、この「現像ソフト」ですが、当たり前ですけどその時点の技術の恩恵を物凄く受けるものです。
10年前のデジカメと今のデジカメを比べて「最近のデジカメは綺麗に写るよな!」なんて感じる事があるかもしれませんが、それは現像ソフトの性能に依るところがかなり大きいのです。

カメラに内蔵している現像ソフトは技術の進化で陳腐化していくわけですが、これをカメラに任せず常に最新の技術を使って写真を作るための商品が、市販されている「現像ソフト」というものです。
少し良いカメラになると「RAW撮影」という機能がついていまして、これを使うと赤/青/緑のセンサー情報をそのまま記録して、カメラの古い現像ソフトに頼らず最新の技術で写真を作る事が出来るのです。


さて、前置きが長くなっていますが。
最近(といっても去年ですが)DxO OpticsProなる現像ソフトを購入しまして、今のところこれを愛用しています。
市販されている多くのカメラ及び交換用レンズの情報を持っていて、そのカメラ+レンズの組み合わせに特有の歪みを自動補正してくれるというスグレモノなんですが、更には歪み補正を通り越して光学フィルターのような効果を上乗せしたり、ゴッツい演算処理をすることで白飛びをナチュラルに補完して無かった事にしてくれたり、高感度撮影の無茶苦茶なノイズを無かったことにしてくれたり、とても便利な機能が充実していて失敗写真と思って放置してた過去の写真がいい感じに復活するなんてこともままあります。

便利だな~と思う反面「こんな事ばかりしてるからフィルム時代から写真やってた人のように腕が上がらないんだよな~」と痛感する今日このごろなのです。