久し振りに当番が回ってきたものの、近況を書こうとすると年寄り臭い話になりそうなのでパソコンの話でも書きましょうか。
今は2024年11月ですが、およそ1年後にWindows10のサポートが終了します。
細かく言えば
「2025年10月14日以降マイクロソフトはWindows10の面倒を一切見なくなるのでWindows11にバージョンアップするなり別のOSに乗り換えるなり新しいPCを買うなりした方が良い」
ということになります。
どうしてもWindows10を使い続けたい場合は30ドル払うと簡易なサポートを1年延長出来ますが、それもいつまで提供されるか不明なので現実的にはここで更新しておくべきでしょう。
Windows11はハードウェアの制限が厳しくなっていて、ザックリ言えば2017年以前に買ったPCはバージョンアップ出来ません。
ここで「だったらLinuxに入れ替えればいいじゃない」というような人なら何の説明も必要としないでしょうが「じゃあWindows11のパソコンを買えばいいのね」という人にはいくつか注意点があります。
1. 「中古PC/整備済PC」を買うべきでは無い
Windows11は主に安全性を理由に古いPCをサポート対象外にしています。
そもそも古いPCにはWindows11をインストール出来なくしてあるのですが、小技を使って古いPCに無理やりWindows11をインストールすることが出来ます。
Amazon等で売られている中古/整備済として売られているPCの大半が無理やりWindows11をインストールしたものです。概ね2万円前後で立派に見えるノートPCが買えます。
一番の問題は無理やりインストールしたWindows11は自動更新されません。
「Windows Updateすればいいんでしょ」と思うかもしれませんが、サポート対象外のPCではWindows Updateしても「更新はありません」と表示するだけでエラーも出さず、何もしなくなるという意味です。正規対応ハードでは無いので「最新版に更新して下さい」というアナウンスすら出ません。
「たいした事をしないから更新しなくても大丈夫」という何の根拠もない事を考える人も実際に居るようですが(整備済PCのレビューにこういう緩い発言がやたら多い)そんな発言をする人は「道路の何が危険か理解せずに走り回る幼児」みたいなもので、行為の危険性を理解せずいろいろやらかす可能性が高いです。そういった場合の安全性を担保する最低限の仕組みが「サポート中のOSを使う」ということで、道路の例で言うなら「危険行為に法律で対処する行政が機能している状態」といった感じでしょうか。
「サポート切れ=無政府状態になった=犯罪者は好き勝手出来る」というイメージです。あなたが何もしなくとも、ネットにそういうPCを繋いでいるだけで犯罪者は勝手にやってきて好き勝手(スパム送信の踏み台とか、なりすましの偽装用に使うとか)してくれます。
尚、整備済PCのWindows11は買った時点で既にサポート切れになっているケースもあります。
「設定 → システム →
バージョン情報」のWindowsの仕様という箇所にバージョンが書かれています。例えば「22H2」とか「23H2」といった「西暦2桁」+「H(半期の意)」+「1か2」という形式で、リリースから2年でサポート終了となりますので2024年現在、もしここに「21H2」とか書いてあるなら既にサポート切れてますので今すぐに「23H2」のインストールをお勧めします。(24H2は2024年11月現在、様々な不具合が報告されているので23H2を推奨)
自分でWindowsの更新を2年毎に手動で実施(Windowsアップデートを起動するという意味じゃなく、アップデートモジュールを自分で探して導入するという事ですよ)するスキル、新しいバージョンが導入不能になったら「もう駄目だ」と諦めて廃棄する潔さが無い人は中古PCに手を出してはいけません。
2. ミニPCは闇が深いのでオススメしない
10cm×10cmくらいの小さいWindows11搭載PCが2万円代から売られています。
もちろん新品で、Intelの省電力CPU搭載(N100とかN95とか)、Windows11もインストール済み。
テレビをモニター代わりに使えば後はキーボードとマウスがあればWindowsパソコンとして十分使えます。
実際、大概のPC作業はこれで十分だし場所もとらず文句なし・・・なのですが。
この類の中国メーカー製ミニPCは不穏な噂が跡を絶ちません。
まずインストールされているWindows11が正規ライセンスでは無いパターン。
不正の手段は複数あるのですが、概ね再インストールが出来ないようです。
再インストールさえしなければ使い続けられますが、そうなると不正を行っているのはメーカーではなく使用者ということになってしまいます。
もっと怖いのが「最初からマルウェア(いわゆるウイルスの類)を仕込まれていた」という報告があること。
詳しくは「ミニPC マルウェア」等のキーワードで検索して確認して下さい。
これにより何が起きるのかと言えば
「表面上は普通に使えているように見えて裏で情報(利用サイト、キー入力など)を窃取されている」
ということです。オンラインショッピングでクレジットカード番号を盗まれるというのがまず浮かびますけど、オンライン銀行/投資サービスなんか利用していると更に恐ろしいですね。尚、買った時点でマルウェアが入っていたという事例は整備済PCでも報告があります。
こういうのを警戒してWindowsを一から再インストールをしようとして前述の「正規ライセンスじゃ無い」という事に気がつくパターンもよくある事例のようです。
以上の話がクリアであっても小さな筐体は設計にどうしても無理があり、主に電源周りや排熱でトラブルが起きやすいので「ミニPCは2年使えたらラッキー」くらいの心持ちであれば選択肢に挙げても良いかもしれません。まあ勧めませんが。
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ネガティブな話ばかりで「ではどうすればいいのか?」となりますが。
・使っているWindows10のPCが普通にWindows11にアップデート出来るか試す
更新出来るPCならしつこく「Win11に今更新する?後でする?(しないとは言わせない)」という感じのダイアログが表示されて既に自動更新されているはずなんですけど・・・
意図的に拒否してきた人はそろそろ受け入れる時が来たということです。Windows11に更新しましょう。
もちろん事前にバックアップは万全に!
・買い替えるなら信用出来るメーカーの製品を新品で
どこのメーカーが信用出来る/信用出来ないについては経験則とかいろいろあるので好きなメーカーでどうぞ。
個人的にはDELLとかパナソニック推し、レノボ純正は絶対避ける(旧IBM品質を求めるならレノボOEMの富士通ブランドを選ぶ)といった感じです。
・「新しいPCを買う金なんて無いぜ・・・」という場合
まず考えるべきは「パソコンが本当にいるの?」という事です。
PCでやっている事でも冷静に考えるとスマホで済む場合が結構あります。そうでなくてもAndroidタブレットとかで済む事もあります。
Windowsパソコンはハード抜きのWindows自体が2万円前後するので自ずと値段は高くなります。他の手段も検討しましょう。スマホにBluetoothマウス&キーボードを接続して画面をテレビに表示するとPCに近い操作感が得られますよ。MS Office365も使えますし。
「お金は無いけど気力と時間はあるぜ!」という方には古いパソコンにLinux系OSをインストールするという手段があります。情報が拾いやすいのでubuntuがおすすめ。普通にパソコンでやりたいことは一通り出来ます・・・が、慣れが必要。
2010年以前からパソコン使ってる人の中には「安く上げたいなら自作PC」というイメージを持つ人も居るかと思いますが、2024年現在の自作PCは「市販PCのスペックに満足出来ない濃厚なマニア向けの高額で超難解なパズル」です。
安いだけのパーツをかき集めても同スペックの市販PCの方が安いですし、高性能なPCを組むにはパーツの組み合わせといった基本知識をクリアしても電力供給とか熱フローとか本気で考えないと普通に動かない/不安定なPCが出来上がります。更に機能の多様化に伴い「値段が高いほど性能がいい」という単純な図式も成立しておらず知識が無いと無駄金使うばかりになります。
ただ、私は2年前に市販のBTOを適当に買った結果(最新ハードウェアの知識に自信がなかったのでグラボ以外は店に任せた)、ここ最近「M.2スロット足りねぇ!マザーボード入れ替えたいっ!」となっているので本当の正解は「正しい知識を学習したうえで適切なパーツを揃えて自作」かなと思う今日このごろです。
「市販PCのスペックに満足出来ない濃厚なマニア」に片足突っ込んでる感じなので参考にはならないでしょうけども・・・