最後の「外道話」となります。お別れが寂しいですね。
※ 外道・・・釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと
1.何時・・・・・・・今年の1月
2.何処で・・・・・愛媛県由良半島の「地釣り」という磯での釣りで
3.誰が・・・・・・・当然、小生が
4.何を、どうした
グレ釣りで思いもよらぬ外道を釣りました。
5.どのようにして
グレのフカセ釣りではコマセも付け餌もオキアミボイル(オキアミをボイルした物)を使用します。
このオキアミボイルは
・エサ持ちが良い(硬くなって、外道が食べ難い)
・落下速度が生オキアミに比べて遅い(魚を浮かせ易い)
などの特徴があり、現在ではグレ釣りの必殺餌です。
ただ、ブロックを解凍した後、海水に数時間漬けておかないと海面に漂って釣りになりません。
←こんな雰囲気で↑こんな獲物を狙っていました
それはまさに一瞬のことでありました。
何時ものようにコマセを撒き、竿を振り、付け餌を流れの中に投入。
数秒の後、何物かが目の前を通り過ぎました。
すると
瞬時に
竿が天空に刺さり
竿は満月となったのであります。
・・・いつもとは逆方向に。
ウミネコ(Larus crassirostris)動物界脊索動物門鳥網チドリ目カモメ科カモメ属
全長44-48センチメートル。翼開張120-128センチメートル。体重0.5-0.6キログラム。
頭部や体下面の羽衣は白、体上面の羽衣は黒灰色。沿岸部や加工、干潟などに生息する。
和名は鳴き声がネコに似ていることが由来とされる。
食性は雑食で、魚類、両生類、昆虫、動物の死骸などを食べる。他の鳥類が捕らえた獲物を奪うこともある。
(Wikipedia より抜粋)
正確にこの鳥かどうかは自信がありません。魚なら自信がありますが・・・
何のことは無い、海鳥が空中から飛来して海面に浮いた餌を食ったのであります。
話には聞いたことはありますが、小生が目にし、体験したのも初めてであります。
瞬時に放流(放鳥?)を決断しますが、思い切って竿をあおっても糸が切れないのであります。
引っ張れば寄ってくる、緩めると糸が出て行く・・・
まさに
【凧揚げ状態】
なのです。
隣の釣り人は大笑い。
釣人;「さすが、何でも釣るねぇ~~~~(笑)」
小生;「どおしょ~~、どぉ~にもならん。糸が切れんのよぉ~~」
釣人;「どうしたらええんか、私にも分からん」
リールを巻いて鳥を手前まで寄せると、襲撃されて大暴れの末つつかれそうです。
大きさはカラスの倍ほどもあります。
釣人;「糸を全部出しきって、引っ張ったら切れるかもしれん」
小生、素直に「ハイ」。藁をもつかむ気持ちです。
6. どうなった
150m程糸を出すと、鳥も150m飛んでかなり遠くなりました(当たり前ですが)。
気持ちもかなり落ち着き、そして「エイ」の掛け声とともに竿をチャクルと見事に外れたのであります(針が残っており、切れてはいませんでした)。
この間、約5分ほどでしょうか。鳥には大変な災難だったでしょう。
願無事也事、望元気也事
先週に引き続いて「外道」のお話です。
※ 外道・・・釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと
1.何時・・・・・・昨年の12月
2.何処で・・・・・愛媛県由良半島の「沖釣り」という磯での釣りで
3.誰が・・・・・・当然、小生が
4.何を、どうした
この時季の磯の上物釣り、グレ釣りで思いもよらぬ外道を確認しました。
5.どのようにして
寒風吹きすさぶ磯の上、「磯の掃除人」と呼ばれる小生は今日も快調です。
昼頃までには5~6枚の口太グレをゲットし、鼻歌混じりの「ぜっこうちょぅ~~~~」 状態であります。
同行の釣り人には「よお釣らんのかぁ~?針は付けとんかのぉ~~~?」なぞと大口を叩いておりました。
←こんな雰囲気で↑こんな獲物を狙っていました
そんな中、潮目に吸い込まれた小生のウキが確実な魚信を捉えると同時に愛竿が弧を描きます。
ごく当たり前のように、小生は華麗なテクニックでお魚を取り込みにかかります。
何時ものように玉網を手にし、流れるような動作で魚を誘導しようとした時、その尻尾の先に何か怪しげな物体がクネクネと付いてきているのです。
「なんかのぉ~~~?」
「ギャ~~~~~オ~~~ッ」
「なんじゃ~~~~~」
小生は長いクネクネとしたものは好きになれません・・・ウナギとアナゴを除いてですが。
ところが、小生は瞬間的な本能のまま玉網を差し出しており、その獲物は玉網の中にグレと一緒に納まったのです。
納まっちゃったのです。
「うぉ~~~~~、うぉ~~~~~」
「おえんがなぁ~~~(方言)」
ウツボ(Gymnothorax kidako)ウナギ目ウツボ亜目ウツボ科
全てが温暖な地域の浅海に生息し、特にサンゴ礁に生息する種類が多い。食性は肉食性で、魚類・甲殻類・などの小動物を大きな口で捕食する。特にタコ類にとっては有力な天敵の一つとなっている。自分より大きな敵が近づいた時は大きな口を開けて威嚇し、それでも敵が去らない場合は咬みつく。
厚い皮と小骨があって調理に手間がかかるが、白身で美味とされている。ハモと同様に骨切りを行うことが多い。日本では、湯引き、たたき、干物、蒲焼、煮魚、鍋料理、天ぷら、佃煮などで食用にする。
(Wikipedia より抜粋)
小生は蛇が大嫌いです。
そう、たいへん良く似ているのです。
玉網を再度海に突っ込み、そして揺するとウツボは逃げました。さほど大きくも無くウナギの大物程度でした。
驚くべきは、自然界の弱肉強食の有様です。
とても口に入る大きさでない40cm近い獲物を襲うのですから。
6.どうなった(何を学んだ)
私自身、この出来事は弱肉強食のなせる仕業と思っていました。ところが、ウツボの習性を調べたところ「自分より大きな敵が近づいた時は大きな口を開けて威嚇し、それでも敵が去らない場合は咬みつく」とあります。
納得したような、しないような、新たな発見でありました。
どうでもええことですが。
先週に引き続いて「外道」のお話です。
※ 外道・・・釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと
1.何時・・・・・・・十年ほど前の9月
2.何処で・・・・・熊本県球磨川での鮎の友釣りで
3.誰が・・・・・・・当然、小生が
4.何を、どうした
大鮎の聖地に尺鮎を目指して遠征した時、とてつもない大物を釣りました。
5.どのようにして
ここ球磨川では盆明けから尺鮎が掛りはじめ、全国から鮎マニアが集まって来ます。
仕掛けは頑丈一徹。糸が切れるか、竿が折れるか、釣り人が流されるか、です。
この日も周りの誰よりも調子が良く、大きく竿を曲げる場面がたびたびあり、既に26~29cmの大鮎を何匹も仕留めていました。
←こんな雰囲気で↑こんな獲物を狙っていました
【此処からの出来事は、約10年前のこととはいえ鮮明です】
あまりにも良く竿が曲がるので、多くの釣り人が私の周りに集まってきました。
「場所が良いので釣れる」と思うのでしょう(この人達は決して腕の差だとは思っていません)。私の上下には知らない釣り人が竿を出してきます。
当然、邪魔になります。
その時、小生の竿先に「ゴン」と強力な激震が・・・。
小生;「(きたぁ~~~~)」(注;声には出しません)
今までと違う、強力な引きで獲物は川の上流にのぼっていきます。竿は満月です。
やりとりの邪魔となる上流の釣り人は気をきかせて、自ら竿を下げて小生の動きに注目し、近くに寄ってきます。
釣り人;「大物やぁ~~~~」「こりゃ、尺はある」
(注;この釣り人は大きな声を発します)
小生;「(ひ、ひ、ひ、引くのぉ~~~~)」(注;声には出しません)
顔面を真っ赤に染め上げ、両の腕で竿を握り、強力な引きに耐えに耐え、竿は満月。
糸なりの音が「ヒュ~ン、ヒュ~ン」と・・・
釣り人;「兄ちゃん、上手いやり取りをするねぇ~~~」(大声)
小生;「(引くぅ~~~~~)」
釣り人;「はょ~~顔が拝みたい。尺はあるよのぅ~~~」(大声)
小生無言のまま、10分ほどやり取りを続けるうち、「(ナンカ、引きが、違う。なんか、違う。以前にも掛けたことがある○○○では?)」 との思いが。
釣り人;「はよ~~~、拝みたいのぉ~~~~」(大声)
小生;「(お、お、お・の・れぇ~~~~)」
竿を締め上げると、手元に巨大な○○○の姿が。そして、またグ~~~ンと潜っていきます。
魚の正体が見えなかったこの釣り人は「凄いの~~」「よ~~~、引くの~~」を連発します。
小生;「(頼む、もう、糸を切って逃げてくれぇ~~~!お・ね・が・い)」
・・・と念じ続けますが、獲物は徐々に力を失い寄ってきてしまったのであります。
ナマズ(Silurus asotus)
ナマズ目ナマズ科に属する硬骨魚類の一種。
北海道と沖縄などの離島を除く全国各地の淡水域に幅広く分布している。日本在来の淡水魚は雑食のものが多いため、在来魚としては数少ない大型の肉食魚(ウナギと同様、鮎が大好物)である。
マナマズは白身魚で、日本では天ぷら・たたき・蒲焼・刺身などにして利用される。近年では琵琶湖周辺地域(滋賀県・京都府)や、埼玉県南東部など特定の地域での漁獲が中心となっている。ナマズ食の歴史自体は古いものの、現代の日本では必ずしも一般的な食材とは言えない。
(Wikipedia より抜粋)
獲物の姿を見たくだんの釣り人は
釣り人;「フン、ナマズか」
小生、静かにこの大ナマズ(頭の大きさは私のゲンコツ大)を玉網で掬い、針を外してリリースしようとしたのであります。
釣り人;「え~~、逃がすの?美味いのに、もったいない」
小生は大変不機嫌になったのを覚えています。
6.どうなった
主役のナマズ君には「お疲れさま」と一言声をかけ、自分の住処に帰っていただきました。
地震を予知して最後のご馳走を食わねばと、小生のおとり鮎を食いに来たのかとも思いました(笑)
しかし、この日地震は起こりませんでした。
先週に引き続いて「外道」のお話です。
※ 外道・・・釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと
1.何時・・・・・・・十数年ほど前の春
2.何処で・・・・・倉敷市児島 下津井沖の磯釣りで
3.誰が・・・・・・・当然、小生が
4.何を、どうした
春のノッコミの「真鯛」「黒鯛(チヌ)」狙いの磯釣りで、とても美味しい獲物を確保しました。
5.どのようにして
釣り方は「フカセ釣り」です。
←こんな雰囲気で ↑こんな獲物を狙っていました
この釣りはコマセを撒いて魚を寄せ、そして魚を中層に浮かして、その中に針の付いた付け餌を流し込んで魚を釣る方法です。
従って、海底に居る根魚なんぞは釣れる事は少なく、根魚を釣れば
「下手糞」
「なにゅ~~釣りょ~~~んなら」
と踏んだり蹴ったりの言葉が返ってきます。
その日、その獲物はウキをゆっくりと消し込んだ(?)のであります。
「ビシッ」と風を切る合わせで竿は満月状態です。「重い、重い、おめぇの~~~(方言)」根掛りのようです。
しかし確実にリールを巻くことが出来、徐々に獲物との距離はつまりはじめました。
黒い物体が浮き上がってきました、雑巾のようなものが。
私には生き物のようには思えず
「なんや、ごみか、フン」
と肩の力が抜けていくのが分かりました。
と、海面まで数十cmとなった時、その物体は海底のほうに向かって泳いだのであります。
頭を丸めて、ロケットのような形状になって。
「???」
「なんやぁ~~~~」
「なにもんやぁ~~~~」
「???」
マダコ(Octopus vulgaris)
タコ目・マダコ科に属するタコの一種。腕を含めた体長は約60cmで、腕は胴体(いわゆる「頭」)の約3倍の長さだが、体はしなやかである程度伸縮する。
カニ等を餌とした釣りも行われるが、物陰にひそむ性質を利用した「蛸壺」(たこつぼ)漁法が主流である。塩で揉み洗いしてから茹でて、酢だこ、煮物、寿司種等にする。茹でずに生で刺身にしたり、薄切りにしてしゃぶしゃぶにすることもある。
(Wikipedia より抜粋)
本気モードに突入です。思ったより良く引きます。
マジに竿を操作すると、まもなくその獲物が浮かび上がってきました、針が足の一部に掛かって。それは、それは、1㎏強もある大物でありました。
帰りの渡船では
船長;「なんが釣れた~~~~ン?」
小生;「マ、マ、マ、マダコが・・・・・・・・・・・・・」
船長;「どうしたん、釣ったんじゃ~~~なかろ~~~が」
小生;「イヤ~、針に掛ったんよ」
瀬戸内のチヌを守る会の会長を自称するフカセ師が根魚(?)の代表であるマダコを「釣った」なんてことは口が裂けても言えません。
6. どうなった
有名な下津井沖のマダコです。そりゃぁ、しっかり成仏していただきました。足は刺身に、皮と足の吸盤・頭部は煮付け。
大変、美味しゅうございました。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏
チ~~~ン
コラムの順番がやってきました、二年ぶりです。
前回と同様釣りに関してのお話で「心に残る外道」とします。
昔のことなので写真なんかは在りません。グダグダと自慢話ばかりですが、御笑覧下さいませ。では
外道とは・・・
1 仏語。仏教の信者からみて、仏教以外の教え。また、それを信じる者。
2 道理に背く考え。また、その考えをもつ者。邪道。
3 災いをなすもの。悪魔。また、邪悪な相をした仮面。「―の面」
4 心のひねくれた人、邪悪な人をののしっていう語。
5 釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと。
(国語辞書―goo辞書)
釣りのお話ですから当然「5 釣りで、目的と違った魚が釣れたとき、その魚のこと」のことであります。
決して「4 邪悪な人をののしっていう語」の事ではありません。
1.何時・・・・・・・二十数年ほど前
2.何処で・・・・・高知県の安満地(「あまじ」と読みます)沖の船釣りで
3.誰が・・・・・・・当然、小生が
4.何を、どうした
釣り物で人気のある「真鯛」「イサキ」狙いで出船し、とてつもない大物を釣りました。
5.どのようにして
この海域では真鯛の大物は約1.0mにもなります。仕掛けは頑丈一徹のズボ釣りという釣り方でハリスは10号、餌はオキアミです。
この日は大変調子が悪く、時間だけがむなしく過ぎて・・・・。
←こんな雰囲気で ↑こんな獲物を狙っていました
【此処からの出来事は約20年前のことですが鮮明に記憶しています】
皆の気が緩んだ頃、突然、小生の強竿に「グ、グ、グ~~~ン」と強力な激震が・・・。
小生;「きっ、きっ、きっ、きっ、きたぁ~~~~」
船頭;「ん、やっと喰わせたで~~~」「他の人は竿を上げえぇ~~~~」
小生;「きっ、きっ、きっ、きっ、きくぅ~~~~」
顔面を真っ赤に染め上げ、両の腕で竿を握り、強力な引きに耐えに耐え
船頭;「ほぉ~~~~~、久しぶりの大物や(笑)」
小生;「引くぅ~~~~~」
徐々にリールが巻くことが出来はじめました。
しかし、残り30m程になると、またしても「グ、グ、グ~~~ン」と20m程糸を引き出されるのであります。
船中、全員注目です。
船頭;「楽しみ、楽しみ。顔を拝たいのぉ~~~~」
小生;「うぅ~~~、よぉ~~~~、引くのぉ~~~~」
リールを巻いては「グ~~~ン、グ~~~~ン」と糸を引き出されての繰り返しです。
小生;「なんか、引きが、違う。なんか、違う。尾ひれの無いような~~~~~」
「まさか○○なんかじゃ・・・・・」と小声でつぶやくと
船頭;「こんなところで○○は喰わん、巻けぇ~~~~(怒)」
小生;「お、お、おのれぇ~~~~」
格闘すること約20分。船の向こう30m先に、大きな獲物の姿がポカリと浮かんだのであります。
アカウミガメ(Caretta caretta)爬虫網カメ目ウミガメ科アカウミガメ属
日本国内では鹿島灘、能登半島以南で繁殖する。春季から夏季(アメリカ合衆国や日本では5-8月)にかけて海岸の草原や砂浜との境界周辺に直径20センチメートル、深さ60センチメートルの穴を掘り、その中に1回に70-150個の卵を年に1-5回に分けて産む。日本では過去、肉、卵とも食用にされていたが、ワシントン条約の加盟と同時に禁止され今では食べられることは殆どない。 ちなみに、肉の味は鶏肉に似たものがあるが、癖があるため食べられない人も多くいた。
(Wikipedia より抜粋)
小生は無言で船頭さんを見上げます。
船頭は竿先の道糸をつまみ、「えいっ」という掛け声とともに糸を切断。
「移動するぞ~」と一声を発して全速で場所移動をしたのであります。
この日、船頭さんは終日不機嫌となりました。
6. どうなった
この日は「助けた亀」にも「助けられず」貧果に終わりました。
帰りの車内では、大きなクーラーの中で氷が転がり「カラン、コロン」と寂しい音が響いていたのを今でも鮮明に覚えています。