2013年5月24日金曜日

数年前の交通事故の顛末

最近、社内で車両運行管理の話とか安全の話なんかが話題に登ることが多いので経験談をさせて頂きます。
・・・そろそろネタ切れという側面が大きいのですが(汗)


数年前、通勤中に交通事故に遭いました。
交通事故を「起こした」ではなく「遭った」としか私には思えない事故の状況はこんな感じ。
というわけで、ものの見事に前後左右全てボッコボコ
最終的に何故か車が侵入できないはずの車止め内側の歩道に正常な向きで停まっているので、事故処理に来た警察の人も結果だけ見て「????」って感じになっていました(笑)

相手車両が逆走した経緯ですが。相手車両が行こうとしていた方向にJRの駅がありまして、図のもう少し下の方にある左折でしか出られない合流からその駅に向かおうと右折&逆走してショートカットを図ったようです。


まあ事故に遭ってる時点でアンラッキーなわけですが・・・事故後にラッキーだったな~と思った事。

1.車がジムニーだった
運転席側にぶつけられているので頑丈な車体だったのが幸いしました。
これはもうジムニー最高!と言わざるを得ないですね。

2.バケットシートを使っていた
バケットシートは体がブレないように固定する為のシートです。分からない方はチャイルドシートをイメージして下さい。あれの大人用と考えて頂ければわかりやすいかと(関係としては逆なんですが)。
事故の3日前にバケットシートを取り付けたばかりで、シートに背中を押し付けて運転していました。お陰で、これだけの激しい動きの中、何かにぶつけて余計な怪我をしたりせずに済みました。
理屈は同じなので、お子様にチャイルドシートを使うのは大変有用なことだと思います。法律云々抜きにしても安全のために活用すべきかと。ついでに自分もバケット使えば完璧ですね(笑)

3.当日は8月30日だった
事故現場の道路は通学路で普段は学生さんが常に歩いている状況なのですが、ギリギリ夏休みだったので巻き込まれた歩行者は居ませんでした。そういえば当社営業部のAさんも会社に向かって歩いていて交差点にたどり着く前だったそうで、これは2重の意味でラッキーでした。(巻き込まれなかった&信頼出来る目撃者確保)


そんなわけで二次被害者もなく、若干右腕が痛いかな?くらいで特に身体的異常もその時は感じられなかったので平然としておりました。
余計なことはいろいろ喋るのに全く謝罪の言葉を口にしない運転者(同乗者である旦那さんは平身低頭でしたが)とか「今回の事故であなたが気をつけるべきであった点は何でしょう?」という素っ頓狂な質問を投げかけてくる警察官(規則で必ず聞くことになってるらしい)とかにイライラしながら現場検証を終えて病院に向かったわけですが、医者からは「明日からが大変だから家で安静にするように」といった言葉を頂きました。

その時は聞き流していたその言葉を翌日から身をもって理解することに。
痛みで首が動かせない&右腕から肩にかけて痺れ&高熱・・・・むち打ち症は本当に洒落になりません。8月末に事故発生後、痛み&痺れは4月くらいまで続き、その後数年たった今でも冬になると痛みが出ます

事故にあったらとりあえず病院に行けというのはよく聞く話ですが、自覚症状無くても後で来ます。絶対に病院に行きましょう。
あと、季節が温暖になると痛みが緩和しますが、冷えるとぶり返すので、治ったと勘違いせず、ちゃんと病院に通わないとダメです。


というわけで翌日からは強烈な首の痛み&高熱で朦朧としていたわけですが、呑気に休んでもいられません。事故処理は終わっていないのです。

3日前にシートを取り付けたという話からも分かる通り、件の車には相当な手を入れていました
相手の保険屋からは年式/車種による補償額(たしか新車価格の6割くらい)なんていう提示がされていたわけですが、中古で同等の車体買うにも正直足りない額ですし、そもそも壊されたものは全て補償していただかないと気が済みません。

取り付けてあったオプションを全てリストアップ、その価格(定価で表記)や現時点で入手の可否などを記載した資料を作成。「必要であれば事故車に付いているどれがその装備であるのかいちいち説明しても良いですから、もう少し現実的な補償案をお願いします」と保険屋に伝えました。オプションの総額は安い軽なら新車で買える程度の額です(笑)

結果として車は全損扱い、オプション分の補償を上乗せして新車のジムニー定価で買って数十万円お釣りがくる補償金+事故車両はこちらで処分して良い(通常、補償金が出た時点で車両は相手の保険屋のものになる)という条件を引き出しました。サラッと書きましたが、最後の条件はかなり破格です。

相手の保険屋が言っていたことですが、根拠のない物に補償は出来ないので、被害にあった物を具体的にリストアップするのは有効です。
リストを渡した時はかなり構えていましたけど、その後の対応はスムーズ過ぎて拍子抜けしました(笑)


そこまで決まったら次にやることは事故車両の検分。使えるものはリサイクル!
全て壊れたものとして補償された後の話しですから、回収出来た分は丸儲けです。体はボロボロでしたがこれは気合が入ります(笑)

首を固定して病院通いをしている最中、軽トラで事故車の保管場所まで通い、使える物を取り外す作業を行なっていました。

右側面のドア後部に相手車両がヒット、そのまま前方に向かって擦り上げてます。当方より速い速度で追いすがってきた逆走車に当てられた状況が見て取れますね。
下にぶら下がっているステップのようなものはサイドガードです。取り付けステイが曲がって、ボルトはちぎれていました。ということは衝撃吸収に寄与しているはず。付けてて良かった(笑)

外装のダメージはあるものの、内装にはほとんどダメージがありません。追加メーター、オーディオデッキ、内装パーツとシートを回収。

左後部は壊滅的なダメージで屋根までアスファルトにこすった傷が。逆に左のドア近辺は意外に傷が無い状況。
ふっとばされて前側が浮き上がるような感じで横転したんでしょうね。おかげで左のサイドガードは無事。右のガードとセットで回収、後日ハンマーでぶん殴って補正して再利用しました。
前面につけていたステンレスのガードもヒット痕の位置が下面だったので、歪みを補修後、ピカールで磨き上げて再利用しました。

ラゲッジには無駄に充実したオーディオ装置が付いておりました。MP3対応のCDチェンジャーがCDごと破壊。既に廃盤のCDが数枚入ってて涙目状態。お気に入りのJVC製ハイパワーアンプはパッケージングが強固だったおかげかなんとか無事。アンプとツイーターを回収出来ましたが、メインのスピーカーとウーファーは壊れていました。
ちなみに、後ろがスカスカに見えるのは後部座席が無いからです。後部座席は外してガレージ内に保管していたので無傷。

エンジン周りのパーツは全て無事だったので、ステンレス配管やシリコンホース、高効率エアクリーナー等、追加していたパーツは全て回収。サブコン付きのCPUも回収。サブコンつける時「どうせ外さないのに意味ないよな~」と思いながら配線をギボシ加工していたのが活きる展開に(笑)

足回りについては左前以外が使えそうでしたが、怪我の状況から力仕事は無理だったので諦めました。8段調整式ショックアブソーバとタイヤは夏のボーナスで新調したばかりだったんですが・・・・

そんなこんなでパーツ回収には1週間くらいかかりましたが、なかなか達成感ありました。



並行して次の車の手配。流石にムチ打ち症のダメージが大きくて中古車屋をめぐる気力もなく、知り合いの車屋にジムニー特装車を新車で発注。
事故車は新車で購入後2年半くらいの時期で、当時は7型が出た直後だったので「初回の車検直前で新型に乗り換えだ!」とか妙にテンション高かったのを覚えています。

納車されたらまたひと仕事。回収したパーツや調達したオプションパーツの取付です。
こういうのを自分でやるのがジムニーって車の醍醐味ではありますが、首の痛みを抱えての作業はなかなか大変でした。

買った車には特装車専用の革張りシートが付いていましたが、私は尻が滑る革のシートが苦手なので納車直後に速攻で取り外し、事故車から外した撥水ファブリックのシートに総入れ替え。革張りシートはオークションで売却。他にもショックやマフラー等の純正パーツで不要な物を売却したんですが、これらが予想以上に高値で売れまして、車屋さんの値引きと併せると定価より40万円程度安く車両を取得出来た計算になります。ネットオークション万歳!(笑)

車両オプションを元通り+αの装備に仕上げても余剰があったので、一眼レフをフラッグシップ機に新調してレンズも1本導入。物損の補償だけでこれだけ出来れば満足です(当然、怪我の慰藉料とかは別途)。


そんなわけで物損に関してはパーフェクトに補填して頂きましたけど、後遺症は今でも残っています。
事故後数ヶ月は事故現場を通る度にフラッシュバックによる恐怖も味わいました。嬉しげに一眼レフを新調したとか書いてますが、肩と首の痛みが抜けず、重い一眼レフをまともに構えられるようになったのは事故から1年以上経ってからです。
物的にいくら補填されても心身は元通りにはなりません。事故なんか無いほうがいいに決まっています。

わけのわからない人にぶつけられる危険はどうしようもないですが、加害者にならないよう心がける事は出来ます。

交通ルールは守って、安全運転に心がけましょう。