・・・というのも結構本気で考えたんですけど、先ほど駐車場で思いついた話にします。
最近の車のヘッドライトの構造は透明アクリルのケース内にメッキ加工の反射板と発光部、といった形になっています。この透明のアクリルケースは何年かすると紫外線劣化で黄ばんできます。表面が荒れるので、曇りも出てきます。
6年経過でこんな感じになります。曇りのせいで反射板がくすんで見え、全体に黄ばんでいるのが分かるでしょうか。
私が今乗っている車は中古で購入した時点で製造から10年以上経過していまして、ご多分に漏れずライトは黄ばんでいる・・・というより明確に黄土色と言っていいくらいに色が出ており、上の写真よりかなり酷い状態でした。
この黄ばみが出ていると、いかにボディを磨きあげても古く汚く見えてしまうので、いろいろ策を講じてみた結果が下の写真です。ライト右側のウインカーはガラス製なので、ほぼガラスと同じ透明度に戻っているのが見て取れると思います。
結論としては以下の手順で作業しました。
- ライト周りに養生テープを貼る(磨き作業の保護)
- ライトのアクリル部分の黄ばみが落ちるまで耐水サンドペーパーをかける(荒いやつから順に1000番くらいまで)
- コンパウンドで磨き上げる
- ライト周りのボディ部分を養生(塗装の保護なので新聞紙とかで広めに)
- 車用補修スプレーの「クリアー仕上げ用」を磨いたライト部分に軽くふりかける(30cmくらいの距離から撫でるように1回だけ吹く)
- 5の塗料が乾くまで待つ(夏場なら10分程度)
- 5~6を繰り返して、ライトの全面にクリア塗料が付着するまで続ける(面倒でもここで時間をかけないと失敗します)
- クリアの薄い層が出来たら、普通に塗装する(これも一気に吹きつけず、2~3回に分ける)
- コンパウンドで塗装面を均したら完成
この工程を施工し、2年経過したのが上の写真ということになります。黄変の進行は完全に止まっているようです。
クリア塗装で表面保護すること、塗料を大量に吹くとアクリル表面が侵されるので最初は軽く吹いて表面保護の膜を形成してから本格的な塗装をする、というのが肝です。
この方法はネットで調べて得た「先駆者の知恵」をお借りしたもので、ここに至るまでいろいろと試行錯誤しては失敗を繰り返しました。
まず、コンパウンドで削れば黄変が多少マシになるというのはすぐに気が付きましたが、これは2ヶ月くらいで元に戻ります。
メラミンスポンジで磨くっていうのも思いつきでやっていたのですが、手っ取り早く黄ばみを削り落とせるだけで状況は変わりません。(ちなみに、うっかり塗装面を傷つける可能性があるのでこれは真似しちゃダメです)
コーティングの類を重ねて施工すると多少透明度が上がりますが、やはり効果が持続しません。
市販されている「ライトの黄ばみが改善!」みたいな謳い文句の商品も数種試しましたが、これも1ヶ月前後で元に戻ります。この種の商品の実態はただのコンパウンドか、ガラスコートの類なので推して知るべしという感じです。
これらを踏まえて「コーティングで改善するならクリア塗装すればいいんじゃない?」と思い、既に実行している先駆者がいないかネットで情報を探して先の手法にたどり着いたわけです。
古びてきた車でもこういうちょっとした変化で愛着が戻ってくるもの。この作業、クリアースプレー1本で気軽に出来る割に満足度は高いのでオススメです。
あ、クリア塗装は湿度が高いと上手くいかない(曇りが出ます)ので、梅雨の時期はこの作業に適さないですね。盆休とかに暇がある方は試してみてはいかがでしょうか。
というわけで、今回の私のコラムはこれにて締めさせて頂きます。
次はフルモデルチェンジしたジムニーの話題でお会いしましょう。