2015年5月8日金曜日

軽自動車考

最近、兄が車を乗り換えました。
バブル時代にスキー場へ繰り出すために買った走行20万キロを超える年代物のパジェロが遂に限界に来たそうで、スズキのハスラーっていう軽自動車を購入。週末になる度に内装やら外装やら楽しそうに弄ってます。

大型四駆から軽SUV(?)への乗り換えでは不満もあるかと思いましたが、意外に不満は無いそうで、特に燃費には満足しているようです。比較対象がパジェロだと当然といえば当然ですが。

ネタに困っている事もあり、兄に話した軽自動車の注意点みたいな話でも書いてみようかと思います。


■ エンジンオイルは普通車以上にマメに換えよう
軽自動車は普通自動車に比べて概ね半分以下の排気量のエンジンが搭載されています。
排気量はザックリ言えばガソリンを燃やす容器の容量で、容器が大きいほど多くのガソリンを燃やすことが出来る分、力が出せるというイメージです。

軽自動車の排気量は660cc。小さい缶コーヒーで3つ分くらい。
一方、普通自動車の多くは1000ccから2000ccくらいです。ペットボトルくらいのイメージでしょうか。

単純に考えれば容積の比率がガソリンの消費量の比率になって「軽自動車って圧倒的に燃費がいい!」という話になるはずですが、実際にはそれほどの差はありません。
その理由が回転数です。

「同じ時間に何回ガソリンを燃やしたか」という比較をした場合、普通車に比べて軽自動車はより多くの回数ガソリンを燃やしているのです。
それによって最近の軽自動車は高速道路でも余裕で100km/hの走行が出来るようになり、結果として燃費も普通車と大差無くなっています。
普通車でもスポーツカーの類は回転数を増やして力を出すように作ってありますが、それを小さくしたような物が軽自動車のエンジンという事になります。
ジムニーを例に分かる人に分かる書き方をすれば、常用回転数は3000rpmから5000rpm、レブリミットは7500rpm。ちょっと踏み込めば6000rpmくらいまで軽く回ります。車種による味付けの差はありますが、アルトもワゴンRも同じエンジンです。

よって一般的な普通車に比べてエンジンの動作回数が多くなりますので、日頃のメンテナンス(オイル交換やオイル量の確認)には気を使う必要があります。出来るだけ良いオイルをこまめに交換することをお勧めします。
「パワーが無いから」 「軽だから」という理由でこの辺のメンテを怠るのは発想として逆なのです。

頻度を変える必要はないと思いますが、例えば「走行5000km超えたからオイル交換」というやり方を「走行5000kmになる前にオイル交換」という意識に変えるといい感じじゃないでしょうか。



■ 良いタイヤを履かせよう
軽自動車のタイヤは寸法が小さく幅が狭い物が使われています。
車体的にそれで十分ということで設計されているわけですが、車体の大型化が進む一方で燃費競争の激化もあってか重量&走行性能に比してタイヤの性能が軽視されているような印象を私は持っています。

そこで、タイヤの規格を変えるわけには行かないので良いタイヤを選ぶことをお勧めします。
前にこのコラムでも書きましたが、安いタイヤ(主にアジア圏の外国製)は有名メーカーの半値くらいで売ってたりしますけど、基本的に国産の物よりグリップが悪く、雨の日などの信頼性に欠けます。ましてや軽のタイヤは小さくて元値が安いですから、ここでケチっても良いことがありません。
国産の性能のいいタイヤ(エコとかそういう性能は無視して雨の日のグリップが良いもの)を選びましょう。



■ 軽自動車の中古は覚悟が必用
最初の項目で触れた通り、軽自動車は普通車に比べてより多くエンジンを回す構造です。
これは中古での購入を検討する場合、同じ走行距離の普通車に比してより多くのダメージがあると言うことになります。加えて、軽自動車を理由にまともにメンテしない人も結構居ます。

ましてや今の市場では維持費の安い軽自動車の人気は高く、新車との値段比較では下手すると8掛け程度の値段だったりします。

エンジントラブルのリスクを考えれば新車(ないしは登録済み&走行なしの新古車)を買う方が安くつく結果になる場合も多いんじゃないでしょうか。

ちなみに・・・前回も書いたように私個人は20年落ちのジムニーを欲しがっていますが、トラブった場合はリビルトのエンジンに入れ替える覚悟です。
趣味の人は止めませんけど、生活の道具としての購入は新車をお勧めします。