2013年11月29日金曜日

涙の重さについて

私は読書が大好きです。
出会った何百冊の本の中で、読んだ子供のときから今に至るまで心に残っている文をご紹介します。


どうして大人は自分の若いときのことをすっかり忘れてしまうのだろうか。
子どもだって悲しくて不幸になることがあるのに、大人になると、さっぱり忘れてしまっている。
(中略)
人形が壊れたからでも、あとで友だちを失ったからでも、泣く理由はどうでもいい。
人生で大切なのは、何が悲しいかではなく、どれくらい悲しいか、だけなのだ。
子どもの涙が大人の涙より小さいなんてことは絶対にない。ずっと重いことだってよくある。
(「飛ぶ教室」ケストナーより抜粋)


私が子供の頃に泣いていた理由も、今思えば本当に、本当に些細なことです。
でもその当時の私にとっては一大事であり、なぜ大人はそのことを重要視、または理解してくれないのだろう、とはがゆかったものですが、そんな時にこの本を読み「わが意を得たり」と思いました。

今、大人となり親となって。
息子はしょっちゅう泣きます。「そんなことで泣くな」と言いたくなることもしばしばです。
でもそんな時、一息ついて自分の昔の気持ちを手繰り寄せ、息子に対しての「そんなことで」という言葉を引っ込めて「そうだね、悲しかったね、悔しかったね、嫌だったね」と最初に同意してあげることができるのは、この本(文)に出会えたからだと、本当に感謝しています。

1か月のお付き合い、ありがとうございました。
今年の冬も寒いとの予報、皆様ご自愛くださいね。